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木下有彩

木下 有彩

(経 歴)

四天王寺高等学校 2021年3月卒業
東京大学 法学部

現在について。学びの内容や魅力、力を入れて取り組んでいることなどお教えください。

木下 有彩

 現在は東京大学法学部の3年生です。東京大学は多方面において極めて優秀な学生が多く、日々周囲に刺激を受けながら、そして幅広い分野について勉強しながら、充実した学生生活を送っています。
 私が現在最も力を注いでいる活動は、出身環境による教育・情報格差の是正を理念に自身で立ち上げた、受験生のためのSNSアプリを開発・運営する「まなぶHUB」というプロジェクトです。
 大学1年次に立ち上げて以来、約1年半、代表として組織構築や事業としての回し方、マーケティング、デザイン、戦略立てなどを全て一から勉強・実践し、最初はただの自分の閃きだったものを、東京大学と慶應大学の学生約25人で構成されるプロジェクトに成長させました。時間・場所を問わず受験勉強から大学入学後についての質問まで、分からないことや発信したいことあればいつでも投稿ができ、同じ志望層の仲間や大学生の先輩から即座にコメントや回答がもらえる、「受験生の新拠点」となるような革新的なアプリを一から開発し、5月末にリリース致しました。
 受験は情報戦です。後輩のみなさんも受験に対する不安が少しでもあれば、是非この「まなぶHUB」アプリをダウンロードし、仲間を見つけ、先輩に相談し、合格を掴み取って頂きたいと思っております!
 この活動以外にも、コンサル会社で半年以上、インターンとしてビジネスニュースレターの執筆をしています。毎週毎週絶え間なく変化し続けるビジネスのトレンドを追いかけ、「今、何がキテるのか」ということを日々考えながら自分なりにリサーチし、記事執筆を行っています。
 これらの経験をしているうちに法学部に進学はしたものの、ビジネスの面白さに気づき、現在は一般企業に就職するために絶賛就活中です。中高時代は外交官や弁護士を目指して文科一類に入学し、つい昨年まで「一般企業なんて絶対に就職しない!」と思い込んでいましたが、人生本当に何があるか分からないものです笑
 とはいえ、将来的に成し遂げたい大きなビジョンは変わっていません。私は昔から国際的なスケールで社会課題解決に貢献することを志しているので、そのために若いうちから徹底的にビジネスのノウハウを身に付けて成長し、将来的には社会課題解決型ビジネスを立ち上げたいというのが一つの夢です。高度な専門性を有する国際機関で務め、人道支援や国際法規の整備に建設的に取り組むことで社会課題解決のフロントラインに立つことも、このビジョン実現のために掲げる選択肢の一つです。
 このような国際的な事象への興味から、東大が実施している後期教養過程の学生(3、4年)のためのGLP-GEfILプログラム(Global Leadership Program)でも現在活動をしております。これは東大が数年前から実施している分野横断型の特別教育プログラムで、グループワークを通して長期的な研究を行ったり、世界中の著名な研究者や起業家、専門家の方の講演を拝聴することができます。多様なバックグラウンドを持つ多国籍の学生で構成されるので、日々大きく刺激を受けながら、活動に取り組めています。
 他にも国際的な平和構築を学ぶ授業でTA(Teacher’s Assistant)も務めています。みなさんも東大に来て頂ければお会いする機会があるかもしれません!笑
 些細なことですが、大学を卒業するまでの目標は、若者のための国際サミットであるOne Young Worldに日本のアンバサダーとして参加することです。世界202の国・地域を代表する2,000人以上の社会活動家、社会起業家、グローバル企業の若手社員などの次世代を担う若年層が集まり、国境を超えた繋がりを構築することで多くの可能性とリーダーシップを発揮できる場となっていて、4年生で是非参加したいと思っています。様々な社会課題についての熱い議論が毎年交わされるので、もし興味のある方がいらっしゃったら来年行きましょう!笑

四天王寺高等学校・四天王寺中学校に入学した理由は?

 特に関西圏ではとても有名な女子校であり、高いレベルの学びができると考えて志願しました。私は実家が京都ということもあり、大阪に毎日通学をすることに最初は少し不安を覚えましたが、知り合いの先輩方何人かに勧められ、とても心強かったのを覚えています。

大学選びの経緯

木下 有彩

 私が東大文一を受験しようと思い始めたのは中学3年生の終わりでした。将来は国内のみならず、国際的な場で活躍するグローバルな人間になるというのが昔からの夢であったので、日本トップの大学で様々な分野における見聞やネットワークを広げたいと思い、何の迷いもなく、自然と東大文一に志望が定まったのを覚えています。しかし実際は、東大文一を目指し、そして入学するに至ったのは本当に周りの環境に恵まれた結果でした。私の兄を始め、従姉妹や他の親戚も東京大学に進学をしていました。両親は二人とも京大卒の医師で、現在大学教授をしていますので、大学生との関わりも大きく、将来のキャリアを見据えたアドバイスをくれたり、東大を目指すことを全面的に支持してくれたりしました。さらに高校1年の時に、母の伝手で、東大法学部を卒業後、国内外で大変ご活躍されている方々にお会いする貴重な機会を得ることもできました。このような様々なことの積み重ねで、東大文一志望は高校1年時の終わりには確実なものとなりました。ですが、不安ももちろんありました。
 四天王寺では、優秀者はほとんど皆、京大、阪大や医学部を目指す傾向があり、文系は極めて少なく、東大現役合格者も例年ほとんどいません(実際私の卒業した2021年も東大現役合格者は私一人でした)。そういった中で、私の下した決断は、つまり周囲の「大きな流れ」に逆らい、孤独な戦いを戦いにいくということを意味するものだったのです。このような不安を抱えながらも、東大をひたすら目指し続け、初志貫徹をすることができたのは、やはり家族や先生などの周りの支援に依るところが大きかったなと思います。私は幸運なことに、様々な人に助けられながら、自分だけの道を切り開き、新たなスタート地点に立つことができました。皆さんにも、ただ周囲に流されるのではなく、勇気を持って、自分の個性を活かせる、自分だけの進路を是非切り開いて行って頂きたいと心より願っています。

四天王寺高等学校・中学校の一番の魅力は何だと思いますか?

 特に高校では、先生方が生徒の自主性、多様性を重んじて下さったことが素晴らしかったと思います。私は東大かつ文系志望という四天王寺では極めて珍しいパターンだったのですが、別の進路を勧められたり強いられたりすることなく、担任の先生方皆に応援やアドバイスをしていただき、とても幸運でした。さらに、海外研修プログラムを始め、京大医学部、法学部訪問など、生徒一人一人が外の世界を垣間見て、そして自ら感じて、考えて、将来を切り開いて行く契機となるような様々なフィールドワークの実施をして下さって、とてもありがたかったです。また、四天王寺中高は、生徒のより良い学校生活のために絶えず色々な方面で改革を行い続けて下さっていることも本当に素晴らしいところだと思います。これらのことを踏まえ、とても生徒想いの学校だったなと思います。

高校・中学生活で身に付いたことは?

木下 有彩

 漫画の「ちはやふる」が好きだった影響で、中学1年生の時にどうしても競技かるた部を立ち上げたいと思い、1年間教員室に足を運び続け、2年生の時にやっと叶い同好会が発足しました。その時に、友達と1年間の努力を讃え合いながら大喜びをしたことは、とても良い思い出です。最初の練習会で中学1年生から高校2年生まで50人以上の生徒が部室を覗きに来てくれた時は、本当に誇らしかったです。私は結局高校1年時に辞めてしまいましたが、以後も人気が止まず、部室に人が入りきらなかったり、廊下で競技かるた部に入りたいと下級生が話し合っているのを小耳に挟んだり、四天王寺が大阪で強豪校になり、朝の校長先生による実績報告で仲間や後輩の名前が呼び上げられていた時はなんとも言えないほど嬉しい気持ちになりました。おそらく中学時代のこの経験があったからこそ、昨年、同じく「一年生」の時に自身でプロジェクトを一から立ち上げる勇気と行動力と粘り強さが備わったのだと思っています。
 また、なんと言っても女子校という環境が素晴らしかったです!現在、東大のキャンパスを歩いていても男子ばかりの環境です。ここに来て初めて、如何に四天王寺中高の六年間が特殊で貴重な時間であったかということを身をもって実感しました。女子校にいたからこそ、勉強もスポーツもサークルも思う存分打ち込むことができ、また毎日のように友人達とはっちゃけられて、自由で楽しかったなと感じます。自分自身の性格も、小学校の頃はシャイな方で、コミュニケーションもあまりとるのが得意でなかったのですが、卒業をする頃にはうるさいくらいまでに社交的になり、何でもかんでも新しいことに挑戦する、あまり恥知らずな人にいつの間に変身していました。これはもしかしたら女子校というよりは、四天王寺特有の校風だったのかもしれませんが、、。笑

受験生へのメッセージとアドバイス

木下 有彩

 受験生である一年間は辛い思いも多いでしょうし、抱えきれない程のプレッシャーに押し潰されそうになることもあるでしょう。でもだからこそ、受験を乗り越え、そしてさらに受かった時の喜びと、自分のやってきたことに対する誇りは計り知れないもので、受験で培われた教養と共に必ず今後の人生の宝になると思います。それに向かって、今は一日一日頑張ってください!
 また、大学では高校時代では想像もつかないほど広い、キラキラとした世界が広がっています。私も東大に進学し、周囲の優秀な学生たちを目の当たりにして、世界が大きく変わりました。その証拠に、今実際に取り組んでいる活動のほとんどは、私が大学でするであろうと高校時代には予想だにしていなかった活動です。
 東京大学は、多方面において優秀な学生や教員が結集している大学ですし、周りから刺激を受けたり、将来につながるネットワークを形成できるという点では日本で一番の環境であると思います。みなさんも、是非、東大にチャレンジしてみてください!お待ちしています!

作成日:令和5年6月2日

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