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広末 昌子

広末 昌子

(経 歴)

大阪府大阪市生まれ
四天王寺中学校、四天王寺高等学校卒業
東京大学理科二類合格
オーストラリア、アデレードにて介護士として働く
英国ケンブリッジ大学医学部進学
英国ケンブリッジ大学博士課程進学

現在の仕事内容は?

 ケンブリッジ大学医学部医学科の医学研究者養成コース(MB-PhDコース)に所属しています。これは、卒業時に医師免許と博士号を取得し、臨床と研究を両方行う医師を育てるコースです。現在は神経科学の学位を取ったのち臨床を経て博士課程に進学、がんゲノムの研究を行っています。

四天王寺高等学校・四天王寺中学校に入学した理由は?

 小学生の頃は医者になることが夢でしたので、医学部進学実績があり実家にも近い四天王寺を第一志望としました。

大学選びから就職までの経緯は?

 小さい頃から、人の病気を治す医者という職業には深い尊敬と関心を抱いていました。しかし、実際に自分がなりたいものかどうかは決められずにいました。
中学生のころ、日本人研究者のノーベル賞受賞のニュースを見て「科学者ってかっこいい!」と憧れ、同じ医療に貢献するのでも研究の側面からだとより多くの患者さんを助ける根本的な解決法に取り組めると思い、研究者になることを決意しました。
 しかし、実際に進学してみて、自分の研究への意欲は、新しいことを知ること自体というよりは、それがいかに患者さんの役に立つかというところに根ざしているということに気づきました。大学を休学してオーストラリアで語学留学をした際、東南アジアやオセアニアの留学生と仲良くなり、その価値観に触れたことで、東京に戻ることだけが正しい選択肢ではないと感じ始めました。
 そこからはイギリスの大学を視野に入れて、A-levelというイギリスの高校の卒業試験のようなものに向けて勉強をはじめました。イギリスの医学部受験は日本のものとは異なり、老人ホームや病院、ホスピスでの職業体験が必須です。始めは医学部に行きたいのか定かではなかったものの、ボランティアをするうちに患者さんとのやりとりが自身の原動力になることを実感し、医師になる決意をしました。
 その後、A-levelの結果をもって、オーストラリアで介護師として働きながらイギリスとオーストラリアの受けられる全ての医学部に志願しました。その結果、ご縁あって第一志望であるケンブリッジ大学の医学部に合格することができました。
 医学部に入った後も研究をしたいという気持ちは変わらず、学内で医学研究者養成コースに進学し今に至ります。

高校・中学での思い出は?

 中学高校と、勉強に一生懸命取り組んだ毎日でした。四天王寺にはそのための環境がこれ以上ないほどに整っていました。
 朝早くや遅くまで職員室で質問しても、嫌な顔一つせず丁寧に教えてくださる先生方。個性を認め、尊敬しあえる友人たち。いまでも帰省のたびに会う、気のおけない仲間です。
 自身の居場所が心地よいかは周りの人間関係によるところが大きいですが、そういった意味で四天王寺に通っていて本当に良かったなあと思います。

高校・中学生活で身に付いたことは?

 四天王寺での英語教育で身に付いた英語力は海外で生き延びるのに充分でした。特に中学の教材のCDは覚えるまで聞き込み、文をなんども読んで書くという勉強法が身になったと感じました。中学高校では何の役に立つのかわからないと思っていた数学や理科も、研究を始めてからとても実践的な教科だったことがわかりました。

後輩(在校生・受験生)へのメッセージとアドバイス

 在校生の皆さんの中には、学部や進路に迷っている人もいるかもしれません。ときには実際にやってみないと、それが本当にやりたいことかどうかわからないこともたくさんあります。色んな人に話を聞いたり、ボランティアや研究室訪問など、とにかく行動して気軽にいろんなことを試してみてください。
 やりたいことを見付けるのは私にとって一番難しい課題でした。それも、一つ決めれば終わりではなくて、人生のいろんな段階で、自分にとって良い選択が何なのか考え続けることになります。ただ、振り返ってみるとその「やりたいことを見つける」プロセスが一番大変なので、しっかり悩むことができれば順調な証拠です。仮に悩んだ末選んだものが思う通りでなくても、それが分かったというのが大きなステップなのです。
 たくさん考え、行動して、学園生活を楽しんでください。

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