樋口(関根)紗恵子
(経 歴)
現在の仕事内容は?
医学部を卒業後、産婦人科医として約10年間勤務し、現在は東京大学大学院で公共健康医学を専攻しています。お産や不妊治療の現場を通して感じた問題点を解決する糸口はあるのか、社会学や情報学、経済学を医療の観点から学んでいます。と言いつつも久しぶりの学生生活も満喫しています。
四天王寺高等学校・四天王寺中学校に入学した理由は?
中高一貫教育に魅力を感じ、小学校5年生の時に四天王寺の学園祭に遊びに行きました。先輩方の自由な、活発な姿に憧れて入学したいと思いました。
大学選びから就職までの経緯は?
両親が関東の出身ということもあり、東京大学に漠然とした憧れがありました。東京大学は、1-2年生はまず教養学部に入学し、3年生の時に専門の学部を決めます。ですので、1-2年生の時は様々な学部志望の友人と同じクラスに在籍することになり、多くの刺激を受けました。また、サークル活動を通して文系理系の多くの友人を得たのが私にとって今でも大切な財産です。
医学部を志したのは、学生の時に病院を受診したのがきっかけでした。不安な中、緊張を和らげてくれた医師に出会い、自分もそのような存在になりたいと魅力を感じました。医学部に進んでから様々な診療科に実習に行きましたが、その中でも特に惹かれたのが産婦人科でした。その理由は、女性の健康を守る仕事がしたいと思ったからです。
高校生のとき、本校で田嶋陽子さんの女性の社会進出に関する講演を聴く機会があり、その時初めて、女性特有の悩みなどに関して意識を持つようになったのだと思います。
高校・中学での思い出は?
スキー教室、夏休みの海外語学研修(当時はカナダ)、九州(中学校)や北海道(高校)への修学旅行で友人と写真を撮りまくったことでしょうか。親元を離れ、親しい友人と共同生活をし、どこに行くかなど計画を立てることで、自発性や自立心が生まれていったと思います。
合唱コンクールではクラスで『天使にラブソングを』を歌ったり、創作ダンス大会の練習をしたり、今思い返すと盛り沢山の学生生活でした。高校3年生の授戒会で座禅を組み、四天王寺の本坊に宿泊したのも得難い経験でした。
高校・中学生活で身に付いたことは?
自分の意見・意思をしっかり持つこと、発言することです。先日、卒業20周年を記念しての同窓会がありましたが、そこで再会した友人は皆自分の仕事に誇りを持って活き活きとしており、次から次へと全く話が尽きませんでした。 懐かしく語らう中で、多感な学生時代を四天王寺で過ごすことにより、良い刺激や影響を受けながら互いに切磋琢磨してきたことが鮮明に思い出され、あらためて自分の原点はここにあるのだと感じました。
もうひとつは英語力です。私の場合、大学入試、臨床研修病院の試験、大学院、などは英語のおかげで突破できたといっても過言ではありません。仕事で英語の論文を読む機会も多く、そのたびに英語の授業を思い出し、有難かったなあと感じます。
後輩(在校生・受験生)へのメッセージとアドバイス
宿題や試験、色々な行事と大変な時もあるかもしれませんが、目の前のことをその都度、精一杯取り組んで楽しんでください。気づくといつの間にか力がついていると思います。
そして友人達と過ごす時間を大切に。
現在四天王寺の同窓生は日本中、世界中に羽ばたいています。中高で学んだことは大きな糧となります。是非、充実した学生生活を送ってください!