山本佳奈
1989年 滋賀県生まれ。医師。
私立四天王寺高等学校・四天王寺中学校卒業。
2015年3月、滋賀医科大学卒業、医師免許取得。
同年4月より福島県の南相馬市立総合病院に勤務。
大学時代から、医学博士・上昌広氏の下で貧血を中心に医療全般について研究している。
「人の役に立つ仕事がしたい!」
この気持ちで原発に一番近い病院で女性初の研修医として活躍中です。
貧血を中心に医療全般について研究し、2016年4月光文社新書から
「貧血大国日本」を出版。
現在の仕事内容は?
現在、初期研修医2年目です。南相馬市立総合病院に勤務しています。初期研修医として色々な科をローテートしながら、医師として身につけるべき技量を学んでいます。基本的に、入院患者さんに毎日回診に行き、すべての患者さんのカルテを書き、内服薬を処方したりしています。在宅診療科では、仮設住宅に健康講話をしにお邪魔したり、往診したりもしました。勤務後は、論文を読んだり、医学書やそれ以外の本を読んで勉強しています。
四天王寺高等学校・四天王寺中学校に入学した理由は?
四天王寺の制服を着て、通学したいと思ったから。
大学選びから就職までの経緯は?
高校1年生の夏、担任の先生に「もう少し頑張ったら医学部に行けるよ」と言われ、その頃から白衣を着たいと思い始めて、猛勉強を始めました。ちょうど思春期と重なり、自分の体型を気にするようになり、食事量を制限してしまいました。するとみるみるうちに痩せてしまい、高校2年生の冬に「あなた明日死にます」と医師に言われ、入院することに。計4か月の入院で、すっかり勉強についていけなくなり、案の定受験に失敗しました。予備校に通うも成績は上がらず、どの医学部も最後までD判定でしたが、幸いにも滋賀医科大学に合格。テストに追われながらもなんとか進級しました。6年生の夏、生まれ育った関西を出ようと決意し東京の病院を希望したが、就職活動は失敗。福島県南相馬市にある南相馬市立総合病院がたまたま1枠空いていることを知り、「きっと今行かないと行くチャンスはない」と思い、南相馬に行くことに決めました。
高校・中学での思い出は?
大阪城ホールで開催される体育祭でのダンスが一番の思い出。あとは、帰宅時に大阪駅の紀伊国屋に立ち寄っては本を選んでいたことも、今となってはいい思い出です。
高校・中学生活で身に付いたことは?
挨拶をすること、感謝をすること、努力し続けること
後輩(在校生・受験生)へのメッセージとアドバイスをお願いします。
生まれ育った土地と違う環境に行くことはとても大切だと思います。慣れない土地は、初めは辛いものですが、生まれ育ったところの良さを再発見することができたり、いろんな文化や空気や考え方があることに気づくことができます。自ら一歩進んでみると、想像もしていなかった出会いや世界が、きっと待ち構えているはずです。たとえ失敗しても、何度でもやり直しは出来るのですから。